レースはお金がかかる?

モータースポーツというものは、他の色々なスポーツに比べてお金がかかるものである。一口に「モータースポーツ」と言っても様々なジャンルがあるので全てのジャンルについてコストを検討するには難しいものがある。
ここでは2輪のロードレース・モトクロス、4輪のカート・フォーミュラについて、ざっとではあるが見てみよう。

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まずは、「モータースポーツでは一番ローコスト」と言われるMXから。
マシンは大きく分けて3カテゴリーある。
(1)2st85ccもしくは4st150cc…ジュニア(中学生以下)・レディース
(2)2st125ccもしくは4st250cc…NB2~IA2
(3)2st250ccもしくは4st450cc…NBopen~IA1

(1)のマシンは、ホンダのみ4st、他のメーカーは2stである。
マシンの価格は以下の様なところ。
2st85cc 35万円位
4st150cc 49万円
このカテゴリーで2stを選べばマシンの初期投資は安いのが長所である。
ただ、男性にとって不利なのが「中学生以下でないと正式な選手権に出場できない」と いう点である。よって、男性の場合は(2)か(3)のカテゴリーを選ぶこととなる。

KX250F.jpg
(2)のマシンはNB~IBまで、一番ポピュラーなマシンである。
最近は地方選手権でも2stマシンは殆ど見かけなくなり、4st250ccがメインである。Openクラスは4st450ccでも参加できるが、殆どの選手は4st250ccで出場している。
マシンの価格は以下の通り
2st125cc 56万円(現在はヤマハのみ製造)
4st250cc 68万円~72万円位
ということで、NB~IBまで、ほぼ全てのレースを網羅出来るマシンが70万円前後という事である。
IBまでならマシンのチューニング(改造)は特に必要なく、せいぜいレバーやハンドルを好みの物に変更するだけで十分な戦闘力を持っている。
1年間参戦するとなるとメンテナンス費用が気になるところであるが、シーズン中に前後サスペンションを2回O/Hしても6万円位(一回3万円位)である。
エンジンはピストン交換を1~2回するとして、部品代は1回あたり1万円位を見込んでおけばよい。
あとは、クラッチプレートの交換を2~3回位、タイヤの交換を2~3回位といったところである。
1年間参戦するのにかかる費用は100万円要るか要らない位だろうという計算である。
NBやNAなら最新型のマシンでなく、2~3年落ちのマシンでも戦える。
マシン費用は2年落ちで50万円くらい、3年落ちで40万円位である。

(3)のマシンは以下の様な価格である。
2st250cc 66万円(現在はヤマハのみ製造)
4st450cc 87万円位
こちらも最近2stは見かけなくなり、ほぼ全て4st450ccである。
4st450ccマシンは4st250ccに比べて15万円位高価である。
しかし、このクラスのマシンに乗ってレースをするのは殆どIA1、つまり全日本のトップ中のトップ選手だけである。IB以下のレースにおいてはOpenクラスで参加可能であるが、前述した様に450ccで出場する選手は極めて少ないのが現状である。
よって、モトクロスをするライダー殆どの選手にとってこのカテゴリーのマシンは購入することがないのである。
それにしても、最高峰クラスのマシンですら100万円以下の値段で入手可能という点は魅力を感じる。


ロードレース(R/R)
モーターサイクルレースは、当然サーキットで行われるR/Rも重要なジャンルである。
では、本格的にR/Rの選手権に参加しようとするとどれ位のコストが必要になるのだろうか?
かつては2st125ccや2st250ccといったジャンルが主流であったが、2stマシンは殆どメーカーの供給が終わっている。日本のメーカーはもう作っていないということである。
かつての入門クラスであった125ccクラスであるが、これからは恐らく4st250cc単気筒マシンがそれに取って代わると考えられている。こちらはまだバイクメーカーからの販売はなく、コンストラクターが独自に制作している段階である。価格は130万円~150万円といったところ。

2st125ccレーサーの価格
ホンダRS125R 約110万円

入門クラスとはいえ、いきなり100万円以上する。これにメンテナンス費用が掛かってくるので年間参戦費用は最低限100数十万円といったところである。ただ、本格的ロード・レーシングマシンとしてはかなりローコストに抑えられてる方である。

現在は主流が2stから4stに移行しており、入門カテゴリーは主にST600となっている。ST600は公道用600ccマシンをレース用に改造して行われているカテゴリーである。

CBR600RR.jpg
マシン価格の例
ホンダCBR600RRレースベース車 1,068,900円

これだけを見ると一瞬「100万円でマシンが買えるのか」と思ってしまう。
しかし、ここで注意しないといけないのは、あくまでも「レースベース車」であるという点である。公道用マシンからレースに必要のない保安部品を取っただけの仕様なので、実際にレースに出場するとなれば、相応の改造費用が発生する。
わざわざ自分で改造をしなくても、「コンプリート車」という物が存在する。これなら即実戦可能である。こちらの価格は約150万円といったところである。
メンテナンス費用であるが、このカテゴリーのマシンは4気筒なので単気筒のMXマシンに比べると単純に考えて4倍の費用が掛かるのである。具体的な費用は腰上O/Hで15万円位、ヘッドのみO/Hで5万円位ということである。ライダー自身がメンテナンスを行えば費用は抑えることが出来るが、4st4気筒エンジンは正直言って素人が手に負える物ではない。やはり工賃を払ってでもプロに任せるものである。メンテナンス費用も考慮すると年間参戦費用は、およそ200万円といったところか。



4輪に目を移してみよう。4輪レースの入門カテゴリーはカートであると思われる。 カートにも色々な種類があり、初心者向けの物から全日本も開催されるという上級者向けの物まであるということである。価格は以下の様になっている。

レーシングカート
入門用コンプリートカート 約30万円。
最上級モデル シャーシのみで45万程度、エンジンが35万円位、
合計約80万円らしい。

30万円~80万円というと、ちょうどMX85cc~450ccの価格と同じ位である。
マシンはMXと同じ様な価格で入手可能と言うことだが、メンテナンス費用はMXのそれと大きく異なる様である。
まず、エンジンについてはレース毎のO/Hが基本ということである。エンジンそのものの構造はMXマシンと大差ないのだが、O/H作業の頻度が違うため、当然コストも高くつく。 カートのメンテナンス費用で見逃すことが出来ないのは、「シャーシも消耗品である」ということだ。
カートにはサスペンションが装着されていないので、路面から受けるストレスをシャーシが全て受けてしまい、結果としてシャーシ交換を頻繁に行わなければならないということである。 メンテナンス費用がかさむため、1年間選手権を戦うとなると、100万円では済まない様である。
ドライバーの速さにもよるのだろうが、年間で200万円位は見ておく必要がありそうだ。カートとはいえ全日本のトップクラスともなると、年間1000万円程度の資金が必要ということである。ここまで来ると一個人で負担するのは不可能で、スポンサーが付かないと参戦は難しい。


さて、カートからステップアップするとなるとフォーミュラクラスになる訳である。 一口に「フォーミュラマシン」と言っても様々なカテゴリーがある。
かつてはFJ1600が登竜門カテゴリーとなっていたが、最近はその他のシリーズからステップアップしてゆく例も増えてると言うことである。
「他のシリーズ」で代表的な物として、スズキ製マシンによるワン・メイクレースがある。
以下の2車種がラインナップされている。

フォーミュラマシン
F・スズキ・Kei 215万円
スズキ・隼   315万

これらはエンジン搭載済みの完成車価格だが、レース用タイヤ&ホイールは別売りらしい。
年間4戦程度が開催されてる様で、4戦分の参戦費用は60万円位、らしい。
隼のフォーミュラマシンを購入して1年間戦うと最低でも400万円位を見込む必要がある。その他、マシンの保管費用等も必要になってくる、らしい。
軽自動車やバイクのエンジンを使ったワン・メイクレースなんて速いのか?と疑問に思う向きもあるかも知れないが、この点についてスズキは以下の様に説明している。
「筑波サーキットのタイムで見ると、F・スズキ・隼は56秒台、F・スズキ・ケイは1分6秒台がベストタイムとなっています。参考までに他のフォーミュラマシンと比較すると、F4とFJの中間に位置します。箱車の場合、フルチューンのスカイラインGT-Rで58~59秒ですから、フォーミュラがいかに速いか良くわかります。」

他カテゴリーのマシン価格は以下の様子。
F4はエンジン付きの完成車で約700万円
FJ1600は約400万円
こう見るとFJでも年間500~600万円は必要。
F4に至っては1000万円程度必要な様である。
フォーミュラ・スズキシリーズは比較的リーズナブルな物である。それでも年間400~500万円となると 一個人の収入だけでは不可能に近い数字である。

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以上、主に4種類のカテゴリーについて見てきたが、これらは「選手権」に参加することを前提にしたものである。

「とにかくお金は掛けたくないが、モータースポーツに参加したい」

というのであれば、2輪の草エンデューロに参加するというのも手である。
本格的エンデューロレーサーを購入するなら、やはり70万円位必要である。
しかし、地方のローカル・エンデューロの場合、総合優勝を狙うのでなければそこまでの戦闘力は必要ない。マシンは20~30万円位のトレール車を入手し、保安部品を外してゼッケンプレートを取り付ければ完成である。これで立派にレースをすることは出来るのである。

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